こんなお悩みはありませんか?

  • 事業を長男に承継したあと、(長男には子どもがいないから)将来的には次男の息子に承継させたい。
  • 将来、長男に事業を承継させることは決まっているが、自分が元気な間はまだ経営権を握っておきたい。でも、万が一の自体に備え、認知症や寝たきり対策もしておきたい。
  • 事業は将来的には長男に承継させたいが、長男はまだ若く未熟なので、一旦は起業当初から一緒にやってきれくれた信頼できる社員に任せ、その間に長男に教育をし、後を任せられるようになった段階で、長男に承継させたい。

これらのお悩みは
民事信託を活用することで解決できます

会社経営者、個人事業主が高齢になった場合、将来的にその事業をどのように次の世代にバトンタッチするか、どのようにして事業承継を果たすか、が重要な問題となります。
またその事業承継に際しては、できる限り従業員の方々や取引先の方々に不安や心配を除去しなければならないし、また、事業承継がうまくいかないと、会社の存続が危機にさらされることもあります。
もし事前に何の準備もしていない状態で、事業主の方が急に認知症を発症したり、あるいは、交通事故等で寝たきり状態になってしまったり、あるいはお亡くなりになってしまった場合、会社は混乱をきたし、事業の存続そのものが危うくなるということも珍しくありません。
当事務所では、そのような状態を回避し、事業の承継をスムーズに果たすための制度として、民事信託を活用した最適なスキームをご提案します。

認知症・相続対策の信託の活用事例

ケース

Aさん(68歳)には、妻Bさん(65)、長男Cさん(44)、二男Dさん(42)という家族がいます。Aさんは、株式会社X商事という会社を営んでおりますが、同社は、年商5億円の商社であり、従業員は30名程度です。株式会社X商事の代表取締役はAさんであり、長男のCさんは専務取締役に就任しています。また、Aさんは株式会社X商事の100%株主でもあります。
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Aさんは、経営者仲間の友人が認知症になってしまい、会社が大変になってしまったという話を聞き、自分の将来も心配になってきています。
Aさんは、将来は長男のCさんに会社を継いでもらいたいと考えていますが、現時点でCさんに株式を譲ってしまうことは少し不安に思っています。

事業承継の前提知識

株式会社の事業承継は、株式の譲渡によって行います。株主は、株式会社の所有者であり、株主総会によって、取締役の選任・解任、役員報酬の決定、資本金の増加等、会社の運営にとって重要な事項を決議することができます。親族間で事業承継を行う場合も、株式をきちんと承継(贈与、売買、相続)させることが重要になります。

事業承継対策を行わないリスク

Aさんが何の準備もしなかった場合、【認知症・寝たきりリスク】と【相続・遺産分割リスク】が考えられます。

認知症・寝たきりリスク

Aさんが認知症等になってしまった場合、Aさんのために成年後見人を立てる必要があります。成年後見人は、家庭裁判所が選任するため、必ずしも親族が就任できるとは限らず、面識のない弁護士等が選任される可能性があります。
この成年後見人が株式、預貯金等を含むAさんの全ての財産を管理します。
また、会社法が改正され、成年後見開始が取締役の欠格事由ではなくなりましたが、会社の事情を知らない成年後見人が取締役として意思決定することは現実的に難しい場合も多いでしょう。
加えて、成年後見人が就任した後は、Aさんがお亡くなりになるまで、基本的に株式の所有権を他人に移転させることはできず、成年後見人が株式を管理し続けることになります。
このように、Aさんが認知症等になってしまった場合、会社経営に大きな弊害をもたらし、また、円滑な事業承継(株式の譲渡)も行えなくなってしまいます。

相続・遺産分割リスク

Aさんが亡くなってしまった場合、残されたBさん、Cさん、Dさんで遺産分割協議を行う必要があります。
遺産分割協議が円滑にまとまれば良いですが、会社経営に関与していないDさんが株式会社X商事の株式の相続を望んだ場合、Aさんが望むような会社の事業承継ができない場合があります。
そこで、事業承継の手段として民事信託が注目されています。

事業承継信託での解決

民事信託とは、資産を持っている人(委託者)が、信頼できる相手(受託者)に対し、資産を移転し、その受託者が特定の人(受益者)の為に、その資産(信託財産)を管理・処分することをいいます。また、信託が終了した際、信託財産の承継を受ける人を帰属権利者といいます。

信頼できる人に株式を託します

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上の図では、委託者兼受益者をAさん、信託財産を株式会社A商事株式、受託者をCさん、帰属権利者をCさんとしています。
信託契約は、裁判所の関与を受けることなく締結することが可能です。
なお、この信託契約も法律行為ですので、Aさんが認知症等により、判断能力がなくなってしまう前に契約を締結しておく必要があります。

認知症になってしまった場合でも円滑な事業運営が可能に

まず、信託契約の締結によって、形式的に株式会社X商事の株式の所有権がAさんからCさんに移転します。そのため、Cさんが当該株式の管理を行います。
通常、当該株式の管理を行う受託者Cさんが議決権を行使することができるのですが、指図権者※をAさんにした場合は、CさんはAさんの指図に基づき、当該株式の議決権を行使することになります。
これによって、次期後継者であるCさんが未熟な間は、Aさんが今まで通り、会社の意思決定を行うことができます。
 

【※指図権者とは】
受託者に対し、信託財産の管理運用処分につき具体的に指図を行う者。
そして、Aさんが認知症等になってしまった場合でも、株式の所有権は形式的にCさんに移転しているので、この時点で指図権を終了させた場合、Cさんが株式の議決権を行使することができるため、会社の運営がストップすることはありません。

Aさんが死亡した場合も円滑な株式承継が可能に

Aさんが死亡したことを信託契約終了の条件としておけば、Aさんが亡くなった時に信託契約が終了し、帰属権利者たるCさんに株式の所有権が実質的に帰属することになります。このように、民事信託は、遺言書類似の効力もありますので、円滑な事業承継を行うことが可能になります。

ぜひ民事信託をご活用ください

今回紹介したケースは事業承継信託の基本的な利用方法ですが、民事信託を活用することにより、会社オーナーの思い通りに事業承継を行うことが可能となります。
当事務所では民事信託に精通した弁護士が、依頼者様の経営方針に合わせた信託設定をご提案させていただきます。
初回相談は無料となっておりますので、将来の事業承継にお悩みの方はぜひご相談ください。

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