【解決事例】駐車場の誘導員の過失
事案の概要
依頼者Xは、民間駐車場において、当該駐車場の誘導員に誘導された駐車スペースに、車両をバックで駐車しようとしたところ、当該駐車スペースの後部にコンクリートブロックが突出していたため、同ブロックに車両をぶつけてしまいました。そこで、当該駐車場の運営会社及び誘導員に対して損害賠償の支払いを求め、訴えを提起しました。
本件の争点
本件における争点は、誘導員側に不法行為責任が成立するか、成立するとして運転手と誘導員の過失割合はどのようになるのか、という点になります。
誘導員の責任
車両を誘導する誘導員は、車両の大きさや駐車場の構造に応じて、車両が障害物等と接触しないように、運転者に対して注意を促して誘導をする注意義務を負います。
駐車場の運営会社の責任
駐車場の運営会社は、当該駐車場で勤務していた従業員が業務中に不法行為(誘導ミスによる事故)を発生させてしまった場合、使用者責任(民法715条1項)を負います。
過失割合
車両を駐車させる際は、運転者であるX自身も障害物と接触させないように注意しなければならないことはいうまでもありません。それゆえ、訴訟においては、過失割合を5:5として、主張しました。
コメント
本件において、Xは、通院治療費、慰謝料、休業損害、車両修理費を損害賠償として請求していましたが、結果として、車両修理費相当額を支払ってもらうことで和解が成立しました。
自動車を運転していたのはX自身なので、誘導員側には損害賠償請求ができないと思われる方も多いかと存じます。しかし、本件のように、事案によっては、誘導員個人や駐車場の運営会社の責任を追及できることもありますので、ご不安な点があれば、弁護士にご相談いただければと存じます。
弁護士 白岩 健介
- 所属
- 大阪弁護士会
刑事弁護委員会
一般社団法人日本認知症資産相談士協会 代表理事
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